エマニュエル・トッドの思考地図
日本の皆さんへ
序章 思考の出発点
困難な時代／思考を可能にする土台／なぜ哲学は役に立たないか／
混沌から法則を見いだす／思考とは手仕事／考えるのではなく、学ぶ
能力はだれもが平等／思考のフレームノ処理能力としての知性／
記憶力という知性／創造的知性／機能不全に注目する
１ 入力 脳をデータバンク化せよ
自分のなかに図書館をつくる／研究者とは旅大である／
仕事にヒエラルキーはない／趣味の読書、仕事の読書／ 市民としての読書／研究は楽しくなくてはいけない／
注に注目せよ／分野横断的に読む／
力二歩きの読書（2つの軸の交錯点／もう1つの補助線／準備としての読書／
新たに学んだことを掘り下げる／元のテーマに立ち返る／隙間を埋める読書／
着地点の見当をつける）／結論づける勇気
２ 対象 社会とは人間である
社会から覆いを取り去る／社会を維持するための幻想／
文学による探求／精神分析による観察／合理主義と経験主義／
歴史に語らせる／すべては歴史である
３ 創造 着想は事実から生まれる
「発見」とは何かノデータ蓄積から着想へ／
無意識での攬絆ブロセス/アイディアにどう向き合うかノ
データの意味に気づく力／「普通である」という異常／
思いつきをかたちにするノアイディアを妨げるものノ
グループジンクの社会ノリサーチから発見へ／
自分の発見に驚く／予想外のデータを歓迎する／
自信がなければ何も生まれない／誰かに評価してもらうこと
４ 視点 ルーティンの外に出る
虚偽意識に囚われた人々／現実を直視する条件／
英語で読む利点/アウトサイダーであれ／ 外の世界へと出る経験／外在性のつくり方／
古典を読む意義／比較という方法／別の世界を想定する／
機能しすぎる知性はいけない／別のかたちで刺激を与える
５ 分析 現実をどう切り取るか
アナール学派の弱点／社会を観察する目／
今現在から逃れること／分析の時間的尺度／
過去から未来を考える／歴史学、統計学との出会い／
歴史統計学の考え方/データの背後には人がいる／
現実にはいくつもの描き方がある／相関係数から読み解く／
機械のように検証する／統計学的想像力
６ 出力 書くことと話なすこと
社会への発言／怒りに基づく介入／
書くことは苦手／友人を説得するように／
書きながら考えないノディクテーションという方法／
章立てはチェックリスト
７ 倫理 批判にどう対峙するか
学術界からの反感／思想というバイアス/同調圧力に抗う／
価値観ではなく知性の戦いを／学者としての私、市民としての私／
研究結果に忠実であれ/フオーマット化される知性／
複数の自己／最悪の事態を予期できないわけ／
批判を受けるという特権
８ 未来 予測とは芸術的な行為である
ウイルスが明るみに出したもの／家族構造との関係性／
現実には服従せよ／進行中の危機を思考する／
歴史という補助線/ポストーコロナを予測する／
思考から予測ヘ――3つのフェーズ/芸術的行為としての予測