「人間関係の悩みを軽く」チコちゃんと学ぶ古典

 

「アイツがにくい!」と思うと相手にも伝わる

 

NHK「チコちゃんに叱られる!」制作班

 

 

学校では、あまり詳しく教えてもらえない人間関係の悩み…。

友達、家族やまわりの人と、どうしたらうまく付き合えるのか。

その方法を知ることは、子どもだけでなく、大人にとっても大事なことといえるでしょう。

ブッダが残した言葉には、今を生きる私たちが悩みから抜け出し、穏やかな心を取り戻すためのヒントがたくさん詰まっています。NHK「チコちゃんに叱られる!」でおなじみのチコちゃん、キョエちゃんと一緒に、ブッダの教えを楽しく読める一冊、『チコちゃんと学ぶ チコっとブッダの言葉』より、一部抜粋、再構成してお届けします。

 

 

まちがった「言葉」は価値を落とし、信用をなくす

言葉は、自分の考えや気持ちを人に伝えるための大切な道具だよ。上手に使えば、君のすてきな人柄、君の勇気や努力、そして、困っていることや、つらい気持ちを人に知ってもらうことができる。

でも、まちがった使い方をしたら…?? どうなるかは、自分のことではなく、人のこととして考えるとよくわかる。

人の悪口ばかり言う子をどう思う?? うそばかりつく子をどう思う?? 人のきげんをとるために、おせじばかり言う子をどう思う?

そんな子、友だちにしたいとは思えないよね。その子は、自分の立ち場を強くしたい、守りたいと思って「言葉」を使っている。でも、結局は自分の価値を落とし、人からの信用もなくしてしまうんだ。

 

 

大切な時間を、人をにくむのに使うのはもったいない

君のことをきらっている人とは、進んで仲よくしたいとは思わないよね。でも、それは相手もおんなじだ。

悪口を言われたから、悪口を言う。いじわるをされたから、いじわるをする。おたがいがそう考える限り、争いはなくならない。人が人をにくむ気持ちの力は大きくて、いつの間にか人を飲みこんでしまう。

争いを止めるには「したり、されたり」の輪から抜け出ることだ。相手を無理に好きになる必要はない。でも、きらうのをやめる。にこにこしなくてもいい。でも、悪口を言わない。

君の大切な時間を、人をにくむのに使うのはもったいない。いやな気持ちを捨てることで争いはなくなり、明るい気持ちになれるんだよ。

 

 

幸せは、まるでおいしいお菓子のようなもの

幸せの増やし方を覚えておこう。それは、幸せな気持ちをみんなと分かち合うことだ。たとえば、学校で楽しいことがあったら、おうちの人に教えてあげよう。おうちの人は、君が楽しんでいるのを知って、君が考える以上にうれしい気持ちになるんじゃないかな。

それから、楽しい遊びを見つけたら、友だちといっしょに楽しもう。ひとりだけで夢中になる遊びもいいけれど、みんなで遊んだら、友だちと笑い合い、同じ時間を過ごす楽しさが加わるよね。

幸せは、まるでおいしいお菓子のようなもの。もらった人はうれしくなるし、その気持ちは、お菓子がなくなっても残っている。うれしい気持ちになった人は、君に別の幸せを運んでくるかもしれないよ。

 

 

自分のまちがいを見つめてきちんと正せる人に

どういうわけか、人の悪いところは、すぐ目に入る。

いったん目に入ると気になって仕方がない。そして正義感にかられて「いけないんだ!」「だめなんだよ!」と、責めてしまう。

では、自分のことはどうだろう??本当なら、自分の失敗や欠点は自分がいちばんよくわかるはずだ。でも「あれは仕方なかった」「たいしたことじゃない」と、都合よく考えてしまう。もしかすると「悪いって認めたらおしまいだ」なんて考えてしまうのかもしれないね。

実を言えば、自分の悪いところを認めて反省するからこそ、成長もできるんだよ。誰かの欠点を得意になって正すより、自分のまちがいを見つめて、きちんと正せる人になりたいね。

 

 

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