中国6中全会 コミュニケ全文で振り返る

 

 

中国共産党の6中全会に臨む習近平党総書記(国家主席、中央)ら(北京)=新華社・共同

中国共産党が開いた第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)が11日、閉幕した。毛沢東、ケ小平の時代に続く第3の「歴史決議」を採択し、習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)は両者に並ぶ権威を確立し、来年秋の党大会での異例の3期目就任を固めた。歴史決議の概要を含めたコミュニケ(公報)は次の通り。

 

毛沢東時代 「半植民地の歴史に終止符」 

毛沢東氏=AP

中国共産党第19期中央委員会第6回全体会議が2021年11月8日から11日まで北京で開催された。

今回の全会には中央委員197人と中央委員候補151人が出席した。中央規律検査委員会常務委員会委員と関係部門の責任者が列席した。第19回党大会代表の一部末端の党員と専門家・学者も列席した。

全会は中央政治局が主催した。習近平・中央委員会総書記が重要談話を発表した。

全会は中央政治局の委託を受けた習近平の活動報告を聴取、討議し、「党の100年にわたる奮闘の重大な成果と歴史経験に関する決議」を審議・採択し、「党の第20回全国代表大会開催に関する決議」を審議・採択した。習近平が「党の100年にわたる奮闘の重大な成果と歴史経験に関する決議(討議草案)」について説明した。

全会は党の第19期中央委員会第5回全体会議以降の中央政治局の活動を十分に評価した。以下の認識で一致した。

この1年、世界の100年に一度の大きな変動と新型コロナウイルスの世界的大流行の影響が重なって、外部環境はこれまで以上に複雑で厳しくなり、国内の新型コロナ対策と経済・社会発展の諸任務は極めて重く困難なものだった。中央政治局は「中国の特色ある社会主義」の偉大な旗印を高く掲げ、マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、ケ小平理論、「三つの代表」(2代前の総書記である江沢民氏の)重要思想、(前総書記である胡錦濤氏の)科学的発展観、習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想を指針とすることを堅持した。

第19回党大会および第19期の2中、3中、4中、5中全会の精神を全面的に貫き、国内と国際という二つの大局を統一的に考慮し、感染症対策と経済・社会発展を両立させた。発展と安全を総合的に勘案し、「安定を保ちつつ前進を求める」という活動全体の基調を堅持した。

新たな発展理念を全面的に貫き、新たな発展の枠組みの構築を加速させ、経済の発展は比較的良い勢いを保ち、科学技術の自立自強に向けた取り組みを積極的に進め、改革開放を不断に深化させた。貧困脱却の難関攻略という戦いに予定どおり勝利し、民生の保障を効果的に改善し、社会の大局の安定を維持し、国防と軍の現代化を着実に進めた。中国の特色ある大国外交を全面的に推進し、党史の学習・教育を着実で効果的に実施し、各種の重大な自然災害に打ち勝ち、党と国家の諸事業で新たに大きな成果を収めた。

中国共産党創立100年の一連の行事を成功裏に開催し、習近平党中央総書記が重要談話を発表し、(ややゆとりのある)小康社会の全面的完成を正式に宣言し、全党・全国各民族人民が意気軒昂に第2の100年の奮闘目標(新中国成立100年までの近代的社会主義強国実現)に向けた新たな道のりにつくよう励ました。

全会で次のように確認された。党結党の100年の奮闘の重大な成果と歴史的経験を総括することは、建党100年という歴史的条件下で社会主義現代化国家の全面的建設の新たな道のりにつき、新時代に中国の特色ある社会主義を堅持し発展させるために必要なことである。政治意識・大局意識・核心意識・一致意識を強め、道・理論・制度・文化への自信を固め、習近平同志の党中央・全党の核心としての地位を断固として守り、党中央の権威と集中的・統一的指導を断固として守り、全党が足並みをそろえて確実に前進するために必要なことである。

党の自己革命を進め、全党の闘争能力とリスクや課題への対応能力を高め、党の生命力と活力を永遠に保ち、全国各民族人民を団結させ率いて中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現に向けて奮闘を続けていくために必要なことである。全党は唯物史観と正しい党史観を堅持し、党の100年にわたる奮闘の中から過去に我々はなぜ成功することができたのかを見極め、今後どのようにすれば引き続き成功できるのかをしっかり理解する必要がある。そうすれば、一層揺るぎなく、一層自覚をもって初心を貫き使命を全うし、新時代において中国の特色ある社会主義をよりよく堅持し発展させることができる。

全会で次のように提起された。中国共産党は1921年の成立以来、つねに中国人民の幸福をはかり、中華民族の復興を図ることを自らの初心・使命とし、つねに共産主義の理想と社会主義の信念を堅持し、全国各民族人民を団結させ率いて、民族の独立と人民の解放を達成し、国家の富強と人民の幸福を実現するためにたゆまず奮闘し、すでに100年にわたる輝かしい道のりを歩んできた。党と人民の100年にわたる奮闘により、中華民族の数千年の歴史における最も壮大な叙事詩が書き上げられた。

全会で次のように提起された。新民主主義革命の時期において、党の主要な任務は帝国主義、封建主義、官僚資本主義に反対し、民族の独立と人民の解放を勝ち取り、中華民族の偉大な復興を実現するために根本的な社会的条件を作り出すことである。革命闘争の中で、毛沢東同志を主要な代表とする中国共産党員は、マルクス・レーニン主義の基本的原理を中国の具体的な実情と結びつけ、苦しい模索を経て、そのために大きな犠牲を払って積み重ねた一連の独創的な経験に対する理論的な概括を行った。「農村から都市を包囲し、武力によって政権を奪取する」という正しい革命の道を開き、毛沢東思想を打ち立て、新民主主義革命の勝利を勝ち取るための正しい方向を指し示した。

党は人民を指導して血みどろの戦いと不撓(ふとう)不屈の精神によって、新民主主義革命の偉大な成果を収め、中華人民共和国を樹立した。民族の独立と人民の解放を実現し、旧中国の半植民地・半封建社会の歴史に完全に終止符を打ち、ごく少数の搾取者が広範な勤労人民を支配する歴史を完全に終わらせた。旧中国の四分五裂の状態を完全に終わらせ、列強が中国に押し付けた不平等条約と帝国主義すべての特権を撤廃した。中国が数千年の封建専制政治から人民民主主義へ向かう偉大な飛躍を実現し、世界の政治の枠組みも大きく変え、全世界の抑圧された民族と人民の解放闘争を鼓舞した。

中国共産党と中国人民は勇敢で粘り強い奮闘によって「中国人民はここに立ち上がり、中華民族が他国に分割され、侮りを受けた時代は過去のものとなり、中国の発展はここに新紀元を開いた」と世界に向けて厳かに宣言した。

全会で次のように提起された。社会主義革命と建設の時期、党の主要な任務は、新民主主義から社会主義への転換を実現し、社会主義革命を推進し、社会主義建設を進めて、中華民族の偉大な復興実現の根本的な政治的前提と制度的基礎を築くことだった。

この時期に、毛沢東同志を主要な代表とする中国共産党員は社会主義建設に関する一連の重要思想を打ち出した。毛沢東思想はマルクス・レーニン主義の中国における創造的な運用と発展で、実践によってその正しさが証明された、中国の革命と建設に関する正しい理論原則と経験総括であり、マルクス主義の中国化の最初の歴史的飛躍だった。党は人民を指導して自力更生を貫き、発奮して富強を図り、社会主義革命と建設の偉大な成果を生み出し、中華民族の有史以来最も幅広く奥深い社会変革を実現し、一窮二白(経済的、文化的に立ち遅れた状態)で、人口の多い東洋の大国が社会主義社会に突き進む偉大な飛躍を実現した。

我が国では比較的整った独自の工業体系と国民経済体系が築き上げられ、農業生産条件を大きく改善し、教育・科学・文化・衛生・スポーツ事業の大きな発展をとげた。人民解放軍が増強し、向上し、旧中国時代の屈辱外交を完全に終わらせた。中国共産党と中国人民は勇敢で粘り強い奮闘によって世界に厳かに宣言した。「中国人民は古い世界を壊すだけでなく、新しい世界をつくることができる。社会主義だけが中国を救うことができ、社会主義だけが中国を発展させられる」と。

 

ケ小平時代 「特色ある社会主義建設」

ケ小平氏=AP

全会で次のように提起された。改革開放と社会主義現代化の新たな時期に、党の主要な任務は、中国で社会主義を建設する正しい道を引き続き模索し、社会的生産力を解放し発展させ、人民を貧困から抜けださせ、できるだけ早く豊かにして、中華民族の偉大な復興を実現するために、新たな活力に満ちた体制的保証と急速に発展する物質的条件を与えることだった。

党11期3中全会(1978年)以降、ケ小平同志を主要な代表とする中国共産党員は、全党・全国各民族人民を団結させ導き、新中国成立以降の正反両面の経験を掘りさげて総括し、社会主義とは何か、社会主義をどう建設するかという根本問題をめぐって、世界の社会主義の歴史的経験を参考にし、ケ小平理論を打ち立て、思想解放、実事求是(事実に基づいて真理を求め、実際に即して物事を進める)を貫いた。

そして党と国家の活動の中心を経済建設に移し、改革開放を実行するという歴史的政策決定を行い、社会主義の本質を掘りさげて明らかにし、社会主義初級段階の基本路線を確立した。独自の道を歩み、中国の特色ある社会主義を建設することを明確に打ち出し、中国の特色ある社会主義建設の一連の基本問題に科学的に回答し、21世紀半ばまで3つの段階に分けて進み、社会主義近代化を基本的に実現するという発展戦略を定めて、中国の特色ある社会主義を創始した。

全会で次のように提起された。党13期4中全会(1989年)後、江沢民同志を主要代表とする中国共産党員は、全国の各民族人民を団結させ導き、党の基本理論、基本路線を堅持し、社会主義とは何か、社会主義をどう建設するか、どのような党を建設し、党をどのように建設するかについての認識を深め、「三つの代表」の重要思想をまとめあげた。国内外の情勢が非常に複雑で、世界の社会主義に重大な曲折が生じた厳しい試練の中で、中国の特色ある社会主義を守った。

社会主義市場経済体制の改革目標と基本的枠組みを確立し、社会主義の初級段階に公有制を主体にして、さまざまな所有制経済が共に発展する基本経済制度および労働に応じた分配を主体にして、さまざまな分配方式が併存する分配制度を確立した。全面的改革開放の新局面を切り開き、党建設の新たな偉大なプロジェクトを推し進めて、中国の特色ある社会主義を成功裏に21世紀へ向かわせた。

全会で次のように提起された。第16回党大会(2002年)以降、胡錦濤同志を主要な代表とする中国共産党員は全党・全国各民族人民を団結させ導き、小康社会の全面建設のプロセスの中で実践革新、理論革新、制度革新を推進した。新たな情勢の下でどのような発展を実現するのか、どのように発展するかという重大な問題を深く掘り下げて認識し、回答し、科学的発展観を作り上げた。

重要な戦略的チャンスを捉え、精神を集中して建設に取り組み、一意専心して発展をはかり、人を根本とすることを堅持し、全面的なつり合いをとって持続可能な発展に取り組むことを強調し、保障に力を入れ、民生を改善し、社会の公平・正義を促進し、党の執政能力建設と先進性建設を推進し、新たな情勢の下で中国の特色ある社会主義を成功裏に堅持、発展させた。

全会で次のように強調された。この時期、党は新たな実践と時代の特徴から出発して、マルクス主義を堅持し発展させ、中国の特色ある社会主義建設における発展の道、発展段階、根本任務、発展の原動力、発展戦略、政治的保証、祖国統一、外交・国際戦略、指導する力、依拠する力など一連の基本的問題に科学的に回答し、中国の特色ある社会主義理論体系を作り上げ、マルクス主義の中国化の新たな飛躍を実現した。

党は人民を指導して思想を解放し、鋭意進取し、改革開放と社会主義近代化建設の偉大な成果を創造し、我が国は高度に集中した計画経済体制から活力に満ちた社会主義市場経済体制へ、閉鎖・半閉鎖から全方位開放への歴史的転換を実現した。生産力が相対的に立ち遅れた状況から経済規模が世界第2位に躍り出るという歴史的飛躍を実現し、人民生活が衣食に事欠く状態から全体的小康に至り、さらに全面的小康に向かって突き進むという歴史的飛躍を実現し、中華民族が「立ち上がる」ことから「豊かになる」ことへの偉大な飛躍を実現した。

中国共産党と中国人民は勇敢で粘り強い奮闘によって世界に対し「改革開放は現代の中国の前途と運命を決定づける鍵となる一手であり、中国の特色ある社会主義の道は中国の発展・繁栄を導く正しい道であり、中国は大きな足取りで時代に追いついた」と厳かに宣言した。

全会で次のように指摘された。第18回党大会(12年)以降、中国の特色ある社会主義は新時代に入った。党が直面する主要任務は、第1の100年の奮闘目標(中国共産党創立100年までの小康社会完成)を実現し、第2の100年の奮闘目標実現という新たな道のりを開き、中華民族の偉大な復興実現という壮大な目標に向かって引き続き前進することである。党は人民を指導して自信を持ち自強を図り、正しきを守って新しきを創り、新時代における中国の特色ある偉大な成果を作り出した。

 

習近平時代 「21世紀のマルクス主義へ」

習近平氏=AP

全会で次のように強調された。習近平同志を主要な代表とする中国共産党員はマルクス主義の基本原理を中国の具体的な実情と結び付けることと、中華の優れた伝統文化と結び付けることを堅持した。毛沢東思想、ケ小平理論、「三つの代表」の重要思想、科学的発展観を堅持し、党創立以降の歴史的経験を深く総括して十分に生かし、新たな状況に立脚し、習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想を打ち立てた。

習近平同志は新時代の党と国家の事業の発展に関わる一連の重大な理論・実践問題を深く考えて科学的に判断し、新時代においてどのような中国の特色ある社会主義を堅持して発展させるのか、いかにして中国の特色ある社会主義を堅持して発展させるのか、どのような近代的社会主義強国を建設するのか、いかにして近代的社会主義強国を建設するのか、どのような長期的政権を担うマルクス主義政党を建設するのか、いかにして長期的に政権を担うマルクス主義政党を建設するのかという重大な時代的課題について、一連の独創的な国政運営の新理念・新思想・新戦略を打ち出した。

習近平同志は、習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想の主要な創始者である。習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想は、現代中国のマルクス主義、21世紀のマルクス主義であり、中華文化と中国精神の時代的神髄であり、マルクス主義の中国化における新たな飛躍を遂げた。

党は、習近平同志を党中央と全党の核心としての地位に据え、習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想の指導的地位を確立したことには、全党・全軍・全国の各民族人民の共通の願いが反映されており、新時代の党と国家の事業の発展においても、中華民族の偉大な復興の歴史的プロセスの推進においても、決定的な意義を持つ。

全会で次のように指摘された。習近平同志を核心とする党中央は、偉大な歴史的主動精神と大いなる政治的勇気、強烈な責任感をもって、国内と国際の二つの大局を統一的に捉え、党の基本理論・基本路線・基本方針を貫徹し、偉大な闘争、偉大なプロジェクト、偉大な事業、偉大な夢を取り仕切り、安定の中で前進を求める活動全体の基調を堅持し、一連の重大な方針・政策を実施し、一連の重大な措置を打ち出した。

一連の重大な活動を推し進め、一連の重大なリスクや試練に打ち勝ち、長年解決したくても解決できなかった多くの難題を解決し、これまで成し遂げたくても成し遂げられなかった多くの大事を成し遂げ、党と国家の事業で歴史的な成果を収め、歴史的な変革を起こした。

全会で、次のように強調された。第18回党大会以来、党の全面的指導の堅持においては、党中央の権威と集中的・統一的な指導が力強く保証され、党の指導制度体系が絶えず改善され、党の指導方式がより科学的になり、全党が思想面で一層統一され、政治面で一層団結し、行動面で一層一致し、党の政治的指導力、思想による先導力、大衆に対する組織力、社会への影響力が明らかに強まった。

全面的な厳しい党内統治においては、党の自己浄化・自己改善・自己革新・自己向上の能力は顕著に高まり、ゆるんだ党管理・党統治の状況は根本的転換を遂げ、反腐敗闘争は圧倒的勝利を収めて全面的に定着し、党が革命性を鍛え上げる中で一層強くなった。経済建設においては、我が国の経済発展の均衡性・協調性・持続可能性が明らかに向上し、国の経済力、科学技術力、総合国力が新たな段階へと進み、我が国の経済はより質の高い、より効率的で、より公平で、より持続可能で、より安全な発展の道を歩み出した。

改革開放の全面的深化においては、党が絶えず改革の全面的深化をより広く、より深くまで推し進め、中国の特色ある社会主義制度がより成熟して形も整い、国家統治体系・統治能力の現代化レベルが不断に高まり、党と国家の事業は新たな生気に満ち溢れている。政治建設においては、全過程の人民民主が大いに発展し、我が国の社会主義民主政治の制度化・規範化・手続き化が全面的に推し進められ、中国の特色ある社会主義の政治制度の優位性がよりよく発揮され、生気に満ち溢れ、安定・団結のある政治的局面が強化・発展した。

全面的な法に基づく国家統治においては、中国の特色ある社会主義の法治体系が不断に整備され、法治中国の建設が堅実なスタートを切り、党の法治のやり方を活用して国を指導して統治する能力が著しく高まった。文化建設においては、我が国のイデオロギー分野の情勢が全局的・根本的に転換し、全党・全国で各民族の人民の文化に対する自信が明らかに高まり、社会全体の結束と求心力が大いに向上したことは、新時代に党と国家の事業の新たな局面を切り開くうえで、強力な思想的保証と強大な精神的力をもたらした。

社会建設においては、人民の生活が全方位で改善し、社会統治の社会化・法治化・スマート化・専門化の水準が大幅に向上し、人民が安心して暮らして楽しく働き、社会が安定し秩序のある好ましい局面を保ち、社会の長期的安定という奇跡を記し続けている。生態文明の建設においては、党中央がこれまでなかったほど力を入れて生態文明の建設に取り組み、美しい中国の建設が重大な一歩を踏み出し、我が国の生態環境の保護には歴史的・転換的・全局的な変化が生じた。

国防・軍隊建設においては、人民の軍隊を全体的・革命的に再構築し、態勢を立て直して再出発し、国防力と経済力が同時に向上し、人民の軍隊が新時代の使命・任務を断固として遂行し、粘り強く闘う精神と実際の行動で国家の主権・安全・発展の利益を堅守した。

国家の安全保障においては、国家の安全保障を全面的に強化し、政治・経済・イデオロギー・自然界などの面におけるリスク・試練に耐え抜き、党と国家の繁栄・発展と長期的安定を力強く保証した。「一国二制度」の堅持と祖国統一の推進においては、党中央は一連の抜本策と対応策の措置を講じ、「愛国者による香港の統治」と「愛国者によるマカオの統治」を断固実行し、香港地区の情勢を混乱から安泰へと大きな転換した。

法に基づく香港地区の統治・マカオ地区の統治の推進、「一国二制度」の安定的・長期的実践の促進のために確固とした基盤を打ち固めた。「一つの中国」の原則と「92年コンセンサス」を堅持し、「台湾独立」をもくろむ分裂の行動に断固として反対し、外部勢力からの干渉に断固として反対し、両岸関係の主導権と主動権をしっかりと握った。

外交面の活動においては、中国の特色ある大国外交が全面的に推進され、人類運命共同体の構築が時代の潮流と人類の前進方向を導く鮮明な旗印となり、我が国の外交が世界の大きな変動の中で新局面を切り開き、世界の混乱した局面の中でピンチをチャンスに変え、我が国の国際的影響力・感化力・形成力は顕著に高まった。中国共産党と中国人民は勇ましい不屈の奮闘をもって、「中華民族が『立ち上がることから豊かになる』ことから、『強くなる』ことへの偉大な飛躍を成し遂げた」と、世界に向けて厳かに宣言した。

全会は中国共産党が100年間奮闘してきた歴史的意義を指摘した。党の100年の奮闘は中国の人民の前途と運命を根本的に変え、人民は徹底的に虐められ、抑圧され、奴隷のように酷使された運命から抜け出して、国家、社会と自らの運命の主人公となり、人民のより良い生活への憧れは絶えず現実となった。党の100年の奮闘は中華民族の偉大な復興を実現する正しい道を切り開き、中国はわずか数十年間で先進国の数百年かけて歩んできた工業化のプロセスを歩み終え、経済の急速な発展と社会の長期的な安定という2つの大きな奇跡を作り上げた。

党の100年の奮闘はマルクス主義の強大な生命力を示し、マルクス主義の科学性と真理性は中国で十分に検証され、マルクス主義の人民性と実践性は中国で十分に貫徹され、マルクス主義の開放性と時代性は中国で十分に示された。党の100年の奮闘は世界の歴史に深い影響を与え、党の指導で人民は中国式の現代化の道を成功裏に歩み、人類文明の新形態を創造し、発展途上国の現代化に向かう道を切り開いた。党の100年の奮闘は時代の前列を走る中国共産党を鍛え、偉大な建党精神を源とする精神的系譜を形成し、党の先進性と純潔性を保持し、党の執政能力と指導レベルがたえず向上し、中国共産党は偉大で栄光ある正しい党というにふさわしい。

全会は次のように指摘した。この100年間、党は人民を指導し、偉大な奮闘を進め、貴重な歴史的な経験を積んだ。これは党の指導を堅持し、人民至上を堅持し、理論刷新を堅持し、独立自主を堅持し、中国の道を堅持し、天下を胸に抱くことを堅持し、開拓革新を堅持し、勇敢な闘争を堅持し、統一戦線を堅持し、自己革命を堅持することである。以上の10の方面は、長期的な実践を経て蓄積した貴重な経験であり、党と人民が共に作り上げた精神的な財産であり、一層大切にし、長期的に堅持し、新時代の実践の中で絶えず豊かにして、発展しなければならない。

全会は次のように指摘した。初心を忘れないことがたゆまぬ奮闘を可能にする。中国共産党は中華民族の千秋の偉業を志してから100年で、まさに最盛期を迎えている。過去の100年、党は人民、歴史に優れた回答を出した。今、党は国民を団結させてリードし、第2の100年の奮闘目標を実現する新たな試験に向かう道に踏み出した。

全党は中国共産党が何であるか、何をすべきかという根本的な問題をしっかりと記憶し、歴史の発展の大勢をつかみ、理想と信念を固め、初心、使命をしっかりと記憶し、常に謙虚で慎み、おごらず、刻苦奮闘し、いかなるリスクも恐れず、いかなる妨害にも惑わされず、決して根本的な問題で致命的な誤りを犯してはならず、「青山に咬定して放松せず」(しっかりと根を張った竹のようにぶれたり手を抜いたりしない)執念ですでに決めた目標を実現し、百里の道を行く者は九十里を半ばとする覚悟で中華民族の偉大な復興をたゆまず推進しなければならない。

全会は次のように強調した。全党はマルクス・レーニン主義、毛沢東思想、ケ小平理論、「三つの代表」重要思想、科学的発展観を堅持し、習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想を全面的に貫徹し、マルクス主義の立場、観点、方法で時代を観察し、時代をつかんでリードし、共産党の執政の法則、社会主義の建設の法則、人類社会の発展の法則に対する認識を絶えず深めなければならない。

党の基本理論、基本路線、基本計画を堅持し、「四つの意識」(政治意識、大局意識、核心意識、一致意識)を強め、「四つの自信」(中国の特色ある社会主義の道の自信、理論の自信、制度の自信、文化の自信)を固め、「二つの擁護」(習近平総書記の党中央と全党の核心としての地位を守り、党中央の権威と集中統一指導を守る)を徹底し、系統的な見方を堅持し、「五位一体」(経済建設、政治建設、文化建設、社会建設、エコロジー文明建設の一体化推進)の全体的配置を統一的に推進し、「四つの全面」(小康社会の全面的実現、改革の全面的深化、法に基づく国家統治の全面的推進、党管理の全面的厳格化)の戦略的配置を協調して推進し、新たな発展段階に立脚し、新たな発展理念を貫徹し、新たな発展の枠組みを作り、質の高い発展を推進し、改革開放を全面的に深め、共同富裕を促進し、科学技術の自立自強を推進し、全過程の人民の民主主義を発展させ、人民が主人公であることを保証し、全面的に法に従って国家を統治することを堅持し、社会主義の核心的価値体系を堅持し、発展における民生の保障と改善、人と自然の調和や共生を堅持し、発展と安全を一体化し、国防と軍隊の近代化を加速し、バランスをとりながら、人民富裕、国家強盛、中国を素晴らしい国にしなければならない。

全会は次のように強調した。全党が人民大衆との血と肉のつながりを永遠に維持し、人民を中心とする発展思想を実践し、最も広範な人民の根本的な利益を絶えずしっかりと実現し、守り、発展させ、全国の各民族人民を団結させ指導し、より良い生活のためにたえず奮闘しなければならない。

全党は「憂患が人を生かし、安楽が人を死なす」と銘記し、常に将来を案じ、平穏なときにも危険に対する備えを考え、新時代の党建設の新しい偉大なプロジェクトを引き続き推進し、全面的で厳格な党内統治を堅持し、清廉な政治を行う党風を樹立し、反腐敗闘争を揺るぎなく推進し、困難に耐え、圧力に屈せず、中国の特色ある社会主義事業という船が波を蹴立てて果敢に突き進むように後押ししなければならない。

全会は、第20回党大会を22年後半に北京で開催することを決定した。全会は次のように認識した。第20回党大会は、党が社会主義現代化国家の全面的な建設に入り、第2の100年の奮闘目標に向かって新たな道のりに入る重要な時期に開催する極めて重要な大会であり、党と国家の政治活動における大事である。

全党は全国各民族人民を団結させて率い、難関を攻略し、開拓して前進し、社会主義現代化国家の全面的建設、新時代の中国の特色ある社会主義の偉大な勝利を勝ち取り、中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現のために、新しく、より大きな貢献をし、優れた成績で第20回党大会の開催を迎えなければならない。

党中央は次のように呼びかけた。全党、全軍、全国各民族人民は習近平同志を核心とする党中央を中心に一層緊密に団結し、習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想を全面的に貫徹し、偉大な党建設の精神を発揚し、過去の苦難と栄光を忘れず、現在の使命と責任を担い、未来の偉大な夢に応え、歴史を鑑とし、未来を切り開いて、刻苦奮闘し、勇敢をもって前進し、第2の100年の奮闘目標の達成と、中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現に向けてたゆまず奮闘しなければならない。過去100年に偉大な勝利と栄光を勝ち取った中国共産党と中国人民は、必ずや新時代の新たな道のりにおいて、より偉大な勝利と栄光を勝ち取ることができると、我々は確信している。

 

 

 

川島真・東大教授 「台湾へは抑制的」

習近平(シー・ジンピン)総書記の歴史決議はこれまでの2つの歴史決議とは性格が異なる。1921年に成立した中国共産党の100 年を振り返り、習近平政権の政策を肯定的に描き、そして「中華?族の偉大なる復興」が実現するとされる2つ目の100 年である2049 年(中華人?共和国成立100 周年)に向けての展望を示した。

毛沢東、ケ小平と自らを並べて権威化したが、江沢民(ジアン・ズォーミン)、胡錦濤(フー・ジンタオ)の時代への評価も一段下げながらポジティブなものだった。習氏については、2021年に達成した小康社会の実現が習氏にしか達成できない事業として捉えられ、だからこそここで時代区分ができるということであり、またその成果を以て習氏が来年秋の党大会で3期目に就任する論理立てを整えたといえる。

台湾については昨今の発言同様抑えた表現だった。中国共産党は49年に向けた台湾統一を目指しており、今は長期戦略のもと軍事的威嚇をしつつも台湾社会に浸透する戦略を採っており、台湾社会の反発を避けた面もあろう。

習近平なりの歴史観や歴史政策に沿った内容で、習氏の「党の領導」の強化や権力の統一集中政策の一環とみることができる。習氏は共産党を中心として弛緩した中国の秩序を再編し、党の統治を徹底し、国民・中華民族をまとめあげ、世界のトップにたとうとしている。

 

アンドリュー・メルサ・米ジョンズ・ホプキンス大教授 「権力集中一段と」

中国共産党の習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)は歴史決議を通じてケ小平の改革開放時代からの転換を示した。学者の間では改革時代がいつまで続くのかという問いがあったが、答えは見えてきた。

習氏は2012年の党総書記就任後の早い段階から、国家づくりや政策を中途半端に終わらせたくないと考えていた節がある。18年の国家主席の任期撤廃でレームダック(死に体)に陥ることを避け、3期目も探った。(政治的な)ギャンブルでもあり歴史決議を任期撤廃などへの反対を包み隠す材料として使った。

中国社会のトップ層の多くが、決議は共産党ではなく習氏本人のためのものだと理解しているだろう。ケの時代の決議は側近らを含む指導層で合意のとれた考え方を反映していたのとは異なる。

共産党で多様な考えはますます認められなくなり、共産党をもろくするリスクがある。ケが失脚しても後に実権を握ったように、過ちを犯したり罰則を受けたりした人も多くの場合は復帰して党に尽くす機会を与えられた。こうしたダイナミズムが共産党を成功に導いてきた。

習氏への権力集中が過度に進む。どんなに賢くて能力が高くても、1人では桁外れに複雑な中国社会を扱うことはできない。感染症などの不測の事態に直面すると、負の連鎖を起こして大きな報いを伴う出来事に発展させてしまう恐れがある。

米国は中国を生存に対する脅威と位置づけても中国に関与しなければならない。米中は経済発展や世界との経済統合を続けつつ、関与を通じて双方に関する情報をできるだけ得て、政策が対立したときに互いを監視できるようにすべきだ。

 

 

 

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