新潟震度6強、

 

日本海に「ひずみ集中帯」 過去にも地震多発

 

 

 新潟県村上市で18日夜、最大震度6強を観測した地震があり、総務省消防庁によると新潟など4県で計26人の負傷が19日までに確認された。村上市では山の斜面が崩落、震度6弱を観測した山形県鶴岡市では液状化現象も発生した。瓦の落下など民家への被害も報告されている。

 気象庁によると、震源は山形県沖で深さは14キロ。地震の規模はマグニチュード(M)6.7と推定される。
地震後は最大で約1500人が一時、避難所などに身を寄せた。新潟市で約10センチの津波を観測するなどしたが、津波による目立った被害は確認されていない。

 政府の地震調査委員会は19日夜、臨時の会合を開き、今回の震源付近には「帯状の活断層」などが存在していると指摘した。平田直委員長は「(一帯は)ひずみが集中する領域。(地震を起こした)震源断層の長さは約20キロに達する」との認識を示した。
日本列島周辺では地球表面を覆う複数の岩板(プレート)がせめぎ合う。太平洋沖では海側のプレートが陸側のプレートの下に沈み込み、陸側のプレートがひずみに耐えきれなくなると大きな地震が起きる。2011年の東日本大震災が典型例で、南海トラフでも近い将来の地震が危惧されている。

 一方、今回の地震は日本海側でも高い地震リスクがあることを印象づけた。太平洋側に比べて注目が集まる機会は少ないが、名古屋大学の山岡耕春教授は「歴史的にも大きな地震が起きてきた地域だ」と指摘する。

 北海道沖から新潟沖にかけての日本海側では、1964年に新潟地震(M7.5)が、83年に日本海中部地震(M7.7)が発生した。過去数百年間にM7以上の大きな地震を繰り返してきた。この地域で地震が多発する背景にあるのが、日本海の東側を日本列島に沿うように広がる「ひずみ集中帯」の存在だ。

 日本列島がまたがる北米プレートとユーラシアプレートの2つがぶつかり合う境界とみられ、一帯は東西から押されてひずみがたまりやすい。ひずみに耐えきれずに断層がずれると地震が起きる。

 今回の地震の規模はM6.7で、周辺で起きた過去のM7超の地震よりは小さい。

 マグニチュードが1大きくなると地震のエネルギーは約30倍になる。今回は村上市で震度6強を記録したが、マグニチュードが最大規模ではなく、強い揺れに襲われた地域は比較的狭い範囲に限られた。

 京都大学の西村卓也准教授は「震源が海底だったことや、新潟・山形の県境付近は地盤が比較的頑丈なことなども(強く揺れた範囲が狭いことと)関係している」とみる。

 ただ今後、強い揺れに見舞われる恐れはある。大きな地震があると周辺の地下へかかる力のバランスが変わり、次の地震を誘発する場合が知られる。気象庁は地震発生から1週間程度は最大震度6強程度の揺れに注意するよう呼びかけている。
新潟県では04年の中越地震、07年の中越沖地震で多数の死者が出るなど大きな被害を受けた。当面、警戒を怠れない状況が続く。

 

 

 

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