産総研・中西準子氏
「地下水基準、誤解解け」
豊洲市場の安性評価
東京都の豊洲市場(江東区)について、土壌汚染対策の専門家会議が「地上は安全」との見解をまとめた。ただ地下水の調査では環墳基準の最大100倍のべンゼンを検出し不安の声は残る。リスク評価が専門の中西準子・産業技術総合研究所名誉フェローに聞いた。
ーー専門家会議が豊洲市場は「安全」との見解を示しました。
「確かに豊洲の安全性に問題はない。専門家会議を傍聴して、地下水モニタリング調査で数値が急に悪化した9回目と、それ以前の1〜8回目との違いも理解できた」
ーー都の土壌汚染対策をどう見て小ますか。
「ここまでやる必要があるのか、というほどの対策をしている。その延長で、地下水のデータすべてが環境基準を達成しないといけないという、あり得ないことが目標のように語られてしまっている。私たちが普通に住んでいるところだって、汚染が見つかることは十分あり得る。地下水の汚染濃度がなぜこんなに高いのかという議論自体が入り口を間違えている」
ーー都は今後も地下水調査を続ける方針です。
「地下水は飲まない。測定するのは健康リスクではない。定期的に地下の状態を探る指標として、確認する程度でいいのではないか。全体として地下水の状況に注意しないといけないが、完全にきれいな水である必要はない」
週刊誌でのコメンテーターの発言
「莫大な金額の損失はありま.すが、一刻も早く豊洲をあきらめて築地をどう再生するかを考えるべきです。現状では、豊洲経由の生鮮食品を都民が買うはずはありません。
今後、都民僅喜洲を経由していない生鮮食品を求めるようになるでしょうね。小池都知事には早めのご決断をしてほしいです」(大谷氏)