生活変えるIoTって?

 

 

 

ネットでモノ同士つなぐ


 からすけ アルファベット3文字の言葉っていろいろあるけど、「IoT」って何で0だけが小文字なのかな。

 イチ子 「インターネット・オブ・シングス」の略で、「0」は前置詞の「of」の頭文字だからなのね。直訳すると「モノのインターネット」。身の回りのあらゆるモノをネットにつなげる技術、つながっている状態を指すの。

 からすけ 「あらゆるモノ」っていうのがよくわからないなあ。

 イチ子 例えばパソコンとかスマートフォン(スマホ)なんかは、ネットにつながっているわね。ただ冷蔵庫とかの家電製品は普通つながっていないでしょ。でもね、電気ポットをネットにつなげると、離れて暮らす人が元気でいるかどうかを簡単に確認できるサービスになるの。



ポットが見守り役/時計で健康管理

 からすけ どういうこと?

 イチ子 一人暮らしのおばあちゃんが、ポットでお茶をいれるでしょ。すると、いつ使ったかの情報をポットの無線で外部の「クラウド」 にためるの。その使用状況をメールで子供に送ると、わざわざ確認の電話をしなくても、さりげなく安否を気づかえる仕組みよ。

 からすけ へえ。毎日電話しなくても元気かどうかわかるわけか。

 イチ子 普段の暮らしも便利になるのよ。例えば、あと30分ぐらいで自宅に着く時、手元のスマホを操作するの。すると家のエアコンのスイッチが遠隔で入って温度を設定したり、お風呂にすぐに入れるように沸かしておいたりといったことができるわ。これは「スマートハウス」と言って、家電メーカーや住宅会社が競って便利なサービスを開発しているのよ。

 からすけ 離れた場所から操作件できるんだね。じやあ、消し忘れたエアコンを切ることもできるんだ。

 イチ子 そう。大切なのはデータや情報を集めるだけじゃなくて、現実の社会で誰がどんなことで因っているかに当てはめることなの。社会の問題を解決するためにあらゆるモノの情報を分析して利用しようという考え方ね。だから、つなげるモノには家電とかだけではなくて、川も山も植物も入るの。例えば小学生の時、夏休みにひまわりを種から育てる自由研究をしたでしょ。

 からすけ うん。水やりが結構大変だったよ。

 イチ子 そうだったね。水も肥料も多く与えればいいわけではないでしょ。毎日、土が湿りすぎていないか、茎や葉っぱの育ち具合は順調かを観察しで、一番いい育て方を自分で見つけていったよね。IOTって、その過程をインターネットを使って上手にやろうということなの。実際に、農家の現場て同じように利用しているんだって。

 からすけ そうなんた。それって人手不足を解決することにつなかりそうだね。

 イチ子 そうね。ビニールハウスの野菜畑の中にセンサーを置いて、気温や湿度や養分を常に測っておく。一番よく育つ数値になるように窓や空調や給水を設定すれば、少ない人数で野菜を育てられるよね。農家の人は、パソコンで数字を管理するてとが大事な仕草になっていくかもしれないね。

 からすけ 多くの情報を集めることで問題を見つけるんだね。いろんな機能が付いた時計やメガネを売るようになったのは関係あるの?

 イチ子 そうそう。カメラやセンサーを内蔵したウエアラブル端末というのは、IoTととても関係が深いの。多くのデータを集めて、健康管理や道案内に役立つのよ。

 からすけ でもさ、何でもネットで支える世の中になるのはなんか慌いね。

 イチ子 実際にネット社会に不安を感じている人は多いの。例えば、サイバー攻撃って聞いたことがあるかな。ネットのシステム自体が壊れると困っちゃうよね。また顧客情報とか個人情報かインターネットを通じて漏れたなんてことか話題になるわね。プライバシーを守るための努力はますます必要になるわ。

 からすけ 便利になるのはいいけと、安全・安心じゃないとね。

 イチ子 便利てあることとともに安全性にも気を配って、少しずつ進化していくといいわね。


 
豊島岡女子学園中学高等学校の神谷正昌先生の話


 若い人たちは携帯電話やスマートフォン、パソコンが存在しない状況など考えられないかもしれませんが、私が子どもの頃はなくても普通に生活できていました。一方、私が生まれたのは1960年代の高度経済成長期で、三種の神器と呼ばれたテレビ・冷蔵庫・洗濯機など家電製品が存在しない世界は想像もつきません。人間は一度手に入れた便利さを手放すことはできないのです。

 ビデオのない時代にはテレビ番組を見逃さないよう、放送時間に合わせた生活をしていました。携帯電話が出現する前に比べ、待ち合わせの時間に遅れても連絡が容易になり、時間を守らなければならない意識が薄れている気がします。モノとインターネットがつながり便利になる半面、今まで注意を払っていたことに気を配らなくなり、ある種の緊張感が失われていくのかもしれません。

 

 

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