いま私たちがやるべきこと〜2030年の信仰

 

争いのない未来へ

 

久住寺執事 児玉 光瑞

 

◆理由はいつも同じ

 今回のロシアの侵攻 は批判されるべきです し、被災難民に支援す るべきだと思います。 日本政府の判断も体動 としては正しいと思い ますが、一方で概念で しかない「国」のため に人が争うごとを虚し く思います。

 ウクライナ以外でも シリアやアフガニスタ ンなど、紛争の火種は 世界中で常にくすぶっ ています。世界の紛争 地域は、いずれも豊か な資源や動流の要所に なっています。そこに 国家や宗教などの大義 名分をもってきていま すが、要するに、戦争 の原因はいつの時代も 土地争いです。ですか ら、ロシアは北方領土 を返還しませんし、中 国は尖閣諸島を諦めな いのでしょう。国家元 首が変わるとも、宗教 的な解決を図ろうと も、構造的に解決しな いのです。

◆現実を受け入れる

 この度のショツキン グな出来事の原因を、 「ウクライナをナチス 呼ばわりしているプー チン大統領は精神に異 常をきたしたのではな いか」などと個人感情 で片付けようとする報 道もありま す。ユダヤ 人のセレン スキー大統争 領がナチス というのもおかしな話 です。しかし、ウクラ イナ蜂起軍がナチスド イツに加担し、その後 も旧ソ連と戦った歴史 を知れば、ロシア世論 への説得力も増しま す。ナロではなくロシ ア正規軍が動いている のです。ですから個人 感情と国際政治とを混 同しては正しく理解で きません。

 妄想説は、そう思う ことで私たちの心に折 り合いをつける気休め に過ぎません。「動事 は一方向だけから見て もダメだ」と知ってい るはずなのに、理解不 能な出来事がおきると みんな同じ方向を向い てしまいます。まさに、 戦時中の日本と同じで あり、昨今のコロナ騒 動と同じだと私は思っ ています。

 悲しい出来事が起き ているのは事実だし、 まだ出口が見えないの も事実です。だからと いって、現実はかわり ません。ウクライナは 徹底抗戦の構えです。 虐殺は軍法会議にかけ るべきだしジェノサイ ドは国連に問うべきで いのな す(日本はジェノサイ ド条約に入ってぃませ んが)。起きた事実を 変えることはできない のですから、現実を受 け入れ、正しく知り、 過ちを繰り返さない努 力しか私たちはできま せん。ウクライナの情 報だけを真実だと思っ てぃないか? 中国・ 北動鮮に置き換えて感 情移入してはいないか ? 有事の時こそ大衆 は全体主義へと変貌し てしまいますので、自 らを疑う視点が大切で しょう。

◆仏様の目線で考える

 かって日蓮大聖人の 「立正安国論」は誤読 され、こともあろうに 武力で他国 を治めるこ とが良しと されてぃま した。現代 もまた、国立戒壇を叫 ぶ人たちがいますが、 時代動誤も甚だしいと 思います。多くの人間 が、理性ではなく煩悩 で動いています。資源 があれば欲しくなり、 交通の要所を押さえた いし、大きな建動を作 れば広宣流布した気分 になるだけのこと。そ こに、政治や宗教的な 大義名分をもってきて いるだけです。

 世の中にはさまざま な視点があり、さまざ まな人間かいますが、 みんなの共通項は「幸 せに暮らしたい」のは ずです。だったら、そ こから考えればよいと 思います。仏様は、す べてのものを幸せの境 界に到らしめるために 出現したのですから、 信仰をもつ私たちは、 その視点で考えればよ いと思います。現実を 正しく受け入れ、常に 自分を反省する視点を 持ち、利他の精神をも つて他者と議論をす る。そうすることで、 知恵が生まれるので す。

 仏様の目線には敵・ 味方はありません。  「善悪」や「正邪」と いう単純な二元論は、 実体のない大義名分を レッナル貼りしている だけです。必ず矛盾が 起き、破綻するでしょ う。心が豊かになれば、 戦争よりも効率よく幸 せになれると気づくと 思います。力で直接他 人を変えることはでき ません。できることは、 自身の心を変えること だけなのです。

 

 

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